【①ヒットエフェクトについて】
ざっくり言ってしまえばヒットエフェクトとは「攻撃と対象物の接触を表す効果」とお考えいただければ問題ないかと思います。
たとえば攻撃が「弓」だとしたら、対象物である「的」にあたった際に散る破片や、目視できずとも発生している衝撃波等がいわゆる「ヒットエフェクト」に該当します。
添付いただいたヒットエフェクト集動画の場合ですと、キラキラに誇張したいかにもファンタジー的な表現というより、
攻撃が対象に接触してからの出血表現の再現に重きを置いたリアル志向の表現になっています。
それぞれ見た目に違いはあるものの、どちらも攻撃が当たったことをプレイヤーないし鑑賞者にフィードバックする効果を担っています。
このように「弓」と「的」の接触をデフォルメして視覚的により分かりやすくしたものが「ヒットエフェクト」になります。
モーションや音、ほかのエフェクトなどが組み合わさった一連のシーンの流れのなかで一瞬描画されるものなので、
慣れないうちは識別しにくいところではありますが、ひとまず攻撃が対象物に「当たった/ヒット」したときに発生するエフェクトがヒットエフェクトとご認識いただければと思います。
また、書いていただいた通り、この概念は主にアクションゲームで多用されるものです。
そのため攻撃の成功だけでなく、攻撃の詳細（強さや範囲、種類など）を伝えられるエフェクトをデザインすることもヒットエフェクトを作成されるうえで重要になります。

【②エフェクトの構造】
まずエフェクト（ヒットエフェクトに関わらず）は「発生→演出→消滅」の三段階に分解して考えるとよろしいかと思います。
発生：各パーツがどのように発生しているか？
演出：各パーツがどのぐらいの時間、どのような動きで表示されているか？
消滅：各パーツがどのように消えていくか？（爆発系エフェクト後の余煙や火の粉なども「消滅」にあたります）
※各パーツ＝貼っていただいたブレイクダウン動画でいうところの中心の光、グロウ、リングなどの諸パーティクルエフェクト
今後のレッスンではサンプルデータもお渡ししますので、ツールの使い方と並行してまずはそちらを観察・分解・再構築してみると一気に理解も深まると思います。

【③現場でも求められる要素】
・当たったこと（ヒット）の分かりやすさ
・ダメージの量（範囲や強さ）、
ダメージの種類（属性とも言う）の分かりやすさ
・ヒット＝エフェクト発生したときの気持ちよさや見た目の美しさ

上記に例として挙げていただいたものはヒットエフェクトを制作するうえでまずは押さえておきたい基本要素でお間違いありません。
何が「分かりやすい」そして「気持ちいい/美しい」の正解かは、プロジェクトによって求められる基準も変動するため一概に断言できないのが難しいところです。
現場では仕様書をもとに都度対応することになりますが、やはり制作される際は②の「発生→演出→消滅」の流れやテンポ感を意識しつつ、
くわえて「シルエット」と「細部（ディテール）」を精査しながら要素を構築していければ最終的なクオリティーも上がっていくかと思います。